ポータブル赤道儀 購入 - NanoTracker ナノトラッカー (Sightron)

とうとう『赤道儀』にまで手を伸ばしてしまいました。
ワイドで撮影している分には問題なかったのですが、教科書で見た星雲なんぞを撮影してみたところ、どうしても100mm程度までズームして撮影してみると数秒で星が流れてしまいます。
「動いているかいないのかよくわからない道具にウン万円も出すのは嫌だ」と思い自作も考えてみましたが、寒い中じっとノブを手動で回すのを想像すると、「仙人に成る位の忍耐力が要るのではないか?」
という事で、つまらなそうな道具だけど買ってしまいました。
購入するに当たり、対抗馬としてはビクセンのポラリエがありますが、値段が倍近く違うので諦めました。
 
さて、このナノトラッカー。他の人の評価を見ると、『極軸を出すのがとても難しい』とあります。
この赤道儀の場合、極軸は、本体の端の方にある小さな穴から北極星を中央にセットすることで「極軸を出した」という事になります。
極軸望遠鏡を使えばわけもないのでしょうが、それさえも幾らか余計な出費になってしまいます。できればこのままで上手くセットしたいものです。
 
イメージ 1極軸を出すのを難しくしている要因の一つに、三脚の雲台から穴が見辛い事にあるでしょう。雲台に取り付けるネジと極軸用穴との距離は約35㎜です。雲台の大きさによっては、この穴に掛かってしまうかもしれません。また、雲台のパン棒が大抵雲台の右側にある為に、顔を穴に近づけて覗こうにもパン棒が邪魔で覗けないかもしれません。ネジ穴と極軸穴が逆の位置なら少しはマシだったかもしれませんね。パン棒が体の向こう側になるように180度逆に取り付ければ良いのかもしれませんが、その場合雲台によっては北極星の高度まで角度を下げられないかもしれません。私の雲台では無理でした。この場合『アングルプレート』を使えば、この問題は解決しますね。
イメージ 2
 
幸いなことに、私の雲台(マンフロット #141RC)ではクイックシューを付けて雲台に取り付けても極軸穴を塞ぐことはありませんでした。右目で極軸穴を覗けばなんとかなるようです。
パン棒が無い自由雲台ならば、顔を近づけても大丈夫なのでしょうね。但し、最低でもこのナノトラッカーの他に、小さ目の自由雲台とカメラが乗りますから、よりガッチリとしたものを用意しないといけませんね。
 
 
 
イメージ 3私は、このナノトラッカーの上に小さ目の自由雲台(ベルボン QHD-33)を乗せています。そしてさらにその上に微動雲台(ビクセン)を乗せて、微調整が出来るようにしました。この微動雲台は、ピンポイントでターゲットを狙うのに役立ちます。ワイドで撮影する場合には、特に使う必要はありませんが、ターゲットをズーミングしていくと微妙にずれてしまうので、その都度微調整していくとキッチリ中央に留める事が出来ます。
 
 
 
 
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これが、私のシステムです。
ナノトラッカーに乗っている重量は約1.1kgなので、搭載可能重量約2.0kgはクリアしていますが、『搭載物重心が極軸回転中心より最大10cm』という点でチョット危ういので、慎重にセットする必要があります。
 
実際に使用してみての感想ですが、思っていたよりしっかりしていました。
ガタつきもほとんど気になりません。発売されて暫く経つので、初期ロットで出ていた不具合が修正されているのかもしれません。
50倍速が用意されているので、北極星に向けて数分間撮影すると極軸とのずれが早く判ると思います。
 
恒星時追尾、月追尾、太陽追尾、高速回転さらにそれぞれ0.5倍速が用意されているので、昼間の微速度撮影にも使えそうで幅が広がります。
難点を上げるとすると、単三乾電池3個という中途半端な数と消費電流が最大0.4Aということで、連続動作時間約5時間しか持ちません。一晩中カメラを回しっぱなしという事は出来ないようです。外部電源(特にUSB)が使えれば文句無しなんでしょうけど、自己責任でチョット改造しないといけませんね。