5歳にして既に・・・

ももチャンは、近所の保育園に通うとても可愛い小さな常連客です。
大体、夕方ママと買い物に来ます。今日は、ママは車に乗ったままももチャン一人で店に入ってきました。目指すお菓子は『チョコビ』。ももチャンは手に66円だけ握っています。『チョコビ』は115円。一寸足りません。するとももチャンは、レジの所に来て、にっこりと笑顔で、「おじちゃん、これ」と言って、チョコビと一緒に66円を差し出しました。美人のママに似て、ももチャンもとても可愛い顔をしていますが、歯が6本抜けています。「いくら持ってきたの?」と私。「わからない」(ももチャンは、まだお金が数えられませんが、足りないのは判っている様子)。「ちょっと足りないよ。」と私。「うん」。するとももちゃんは「タダで売って?」「えーっ」と私。また「ねぇ、タダで売っててば。」と女性特有のモノをねだる時の笑顔で責めてきます。歯が抜けているので、ハロウィーンのかぼちゃのようでもあります。「66円ならゼリーとかガムとかが買えるよ」と私。「いやっ、これがいいの。ねぇ、タダで売って?」。「チョコビはチョコレートだから、ももチャンの歯が又抜けちゃうよ」と苦しい返答の私。「うそ。タダで売ってぇ?私、これ食べたことがないんだもの。」といたく『チョコビ』に御執心の様子。そんな押し問答をしている内に、車に乗っていたママが「ももー、早くしなさい」と呼んでいます。ももチャンは、チョコビとお金をレジに残したまま、一旦外に出て行きました。直ぐに戻ってくると又「ねぇ、タダで売ってぇ?」と小さく囁きます。「えーっ。どうしようかな?」と私。すると、ママがやってきてレジ上に置かれた『チョコビ』とお金を見て、「あら、足りなかったのね」と言って、そのまま野菜コーナーの方に向かいました。手には財布が握られています。それを見たももチャンの取った行動は・・・先程までの『チョコビ』はあっさりと却下され、135円の『ジャガリコ』を手にしています。「アレッ。ももチャン、『チョコビ』でなくて良いの?」と私。「うん」・・・手に入ることが判ると、あっさりと次にステップアップするこの行動。間違いなく、ももチャンは男泣かせな女になることでしょう。