自作カヤックカート(カヤックドーリー)

カヤックを購入するに当たり、当初からカヤックカートの必要性を予測していたので、自作しました。
私の場合、家から活動場所まで約200m。舗装道路を横切って土の歩道を辿り、最後にコンクリートのブロックで敷き詰められた護岸を岸の上からから川まで5~6m降ろさなければなりません。傾斜が45度位あるので結構大変です。従って、今回は兎に角『頑丈』に!と云う事で臨みました。
 
自作カヤックカートなどを検索すると、多くの人がイレクターで作成しているようです。丈夫でオシャレという事でしょう。材料費も5000円位のようですね。ホームセンターを2、3軒廻って大体の目星を立てます。コメリに行くとタイヤとその台座付きで880円というのが目に留まりました。「家に手頃な合板があるから、このまま板に取り付けて紐で縛れば安く出来上がるな」という事で、木製のカートを作ることに決めました。イメージ 4
 
右写真の合板は厚さ1㎝で20㎝×40㎝を二枚縦と横に重ねています。(単にこのサイズに切ったのが家にあったからです。また、この板には、たっぷりと防腐剤を塗っています。)
 
タイヤの幅は安定の為に、板の幅一杯にしています。
タイヤがついた台座の固定にはM10のボルトを使用しています。
 
オレンジ色の車載用ベルトは、20年以上前に2000円位で買ったTERZOのものですが、今ならホームセンターで500円位で同じようなものがあります。ベルトは板に幅3㎝の穴を開けて通しています。
 
塩ビパイプは、スカッパーホールとの位置決めの為に後日追加しましイメージ 5た。直径25㎜長さ25㎝を2本と長さ20㎝を1本。これらをエルボーでつなぎ合わせます。スカッパーホルにはこの直径25㎜のパイプがピッタリでした。このパイプを金具で固定していますが、パイプが前後に動く程度に緩めに締めています。前後に動くことで、スカッパーホールへの差し込みが簡単になります。私の場合、この塩ビパイプはスカッパーホールに差し込んで引っ張る目的ではありません。あくまでもオレンジのベルトで船をしっかり固定して引っ張る事としています。
 
右の写真を見ても分かるように板にはボルトとナットが剥き出しになっています。これでは船底が傷だらけになります。そこで、『クッション』を作りました。
 
先ず発泡スチロールで船底に合わせて削り出します。イメージ 6
何枚かの部位に分けて作成しますが、接着には必ず発泡スチロール用の接着剤を使用します。(『発泡スチロール用』でないと化学反応が起こり、スチロールが溶けて変形します)
その後、強力粘着テープでグルグルに巻いて保護します。(シルバーのテープ)
板とクッションの固定は接着剤などは使用していません。
ナットの大きさでクッションの裏にピッタリの穴を開けているだけです。
これで十分!クッションが板とズレルことはありません。
 
これらを組み合わせて完成です。
かなり丈夫に出来ています。私が乗ってもびくともしません。その代り、7㎏と重くなってしまいました。
 
イメージ 7ほとんどが家にあった部材で作成しましたので、今回の実費は二千円程で済みました。全てを新規に揃えても、三千円に足が出る程度でしょう。但し、時間はかなり掛かっています。
 
カヤックの幅が79㎝に対し、タイヤの間隔が中央で測った場合、31㎝しかないので、せめて40㎝位あればもう少し安定したかなと思います。(まぁ、平地で引っ張る分には何の問題もありませんが。)
 
重さに関しては、台座付きのタイヤだけで一個3㎏近くあるので仕方ありません。
 
 
 
[使用例]イメージ 1
 
 
カヤックの後部を持ち上げて、カートをキールに合わせて押し込みます。この時、塩ビパイプを前に倒して、その先端がスカッパーホールの穴近くに来るようにします。
 
 
 
②船の重さをカートに掛けていくと、徐々にカートが水平のなるので、塩ビパイプが穴にキチンと入っていくように位置を確認しながら行います。
塩ビパイプは前後に動く程度に固定してあるので、一旦先端がホールに入ると、後は台の角度に従って自動で垂直になります。
 
イメージ 3
 
 
③右の写真の通り、前に倒していたパイプが垂直になって、しっかりはまっているのがわかります。
塩ビパイプの高さが25㎝あるので、一人でも持ち上げてセットしやすいように工夫しましたが、このパイプの高さが半分くらいであれば、しっかりパイプを固定しても良さそうですね。
 
 
 
 
 
④前後のベルトをしっかり固定します。イメージ 2
このカヤックの場合、サイドグラブハンドルの穴が開いているので前のバンドをこの穴に通して固定します。後ろのバンドは真上の位置で固定します。
これで、前後左右ににしっかり固定されます。
 
 
 
 
 
 
 
[考察] カートをカヤックにセットする位置について・・・
 
カヤック重心(ほぼ中央)にセットすると平地を移動するのに一番力が掛かりません。子犬を散歩させる感じです。
これに対し、カヤック後方にセットするとカヤックの重みをモロに感じながら運搬することになります。言う事を聞かない中型犬を散歩させる感じです。
従って、なるべく中央にカートをセットしたいのですが、護岸堤防などのスロープやコンクリートブロックの傾斜によっては先端の船底をガリガリ擦ってしまいます。特に長い船艇の場合は、これが顕著です。この理由により、当初、中央にセットしていたカートを、キッチリと後方のスカッパーホールの位置に固定する必要が出てきたので、塩ビパイプの取り付けを行いました。